CooL&PassioN

 自分的に、またも衝撃的(?)な出来事が……!!!
 あ、いえ、出掛けるの8月5日じゃなくって、8月10日にしようかっていうことになって……「んー、でもわかんないよね、8月10日も。でも行けたらいこっか☆」的な話の流れに。。。
 まあ、なんにしてもブリーチが北海道で発売になる8月7日にはまだいるので、出来れば感想記事とかその2日以内にアップしておきたいですww
 わたし、ほんとーにこういうことブログに書くの駄目なんですよね(汗)
 物事の計画とかすぐコロコロ☆変わっちゃうので……いえ、自分では「それはわたしのせいではない、よね??」と思ったりはするんですけど、同意を求めても誰も頷いてくれないところが悲しい
 まあ、それはそれとしても、8月7日に萌え叫んですぐに記事を書けそうなので、少しほっとしました♪(^^)
 嗚呼、ほんっとーに8月7日が楽しみです!!!!!
 っていうか、他に感想書かれてる方の記事、我慢できなくて読んだりしちゃいそうな気がするww
 でも本当にそういうことも含めてブリーチ40巻の発売が今から待ち遠しいですー!!!
 こんなに何かの本が発売になるのが待ち遠しいのって、Lファイル以来、あるいはコミックスだったら高校生の時以来かもしれません(笑)
 あ、ちなみに↓の妄想SSは、ほんとは8月4日までに間に合うようにと思って、無理に捻じこもうと思ってた産物ですwwんでも、その必要なかったので、なんか急いで書いて損したよーな気もするんですよね(^^;)
 んで、肝心の内容のほうなんですけど――今回は特に何も期待せずに読む☆のが肝要かと思われますまあ、テンション的にはいつもどおりの駄文ではあるんですけど(笑)、自分でも「最後のほうとか書き直したほうがよくねーか☆」と思いつつ、時間ねーからこれでいいや☆と思ってたら、↑のような話の流れになり……。
 あ゛あ゛、でもなんか本当にもうこれでいいや!!!と思って、このまんまアップしちゃいますww
 今回の注意点はそうですね……終わり方がなんかビミョ~☆ってこととか、織姫ちゃんもウルたんもキャラ崩れしてるところとか(前からだろ☆って突っこみはなしでお願いします)、あとはR-15なのかR-18なのか、よくわかんないところとか……なんか自分的に言い訳したいことがいっぱいあったり
 ついでに、また適当なタイトルが思い浮かばなかったので、とりあえず『CooL&PassioN』ってつけてみましたが、内容と合致してるよーなしてないよーな……よくわかんない感じだったり(汗)あ、とりあえずpassionには情熱っていう意味の他に受難っていう意味もあると思うので――そこはいいなと思ったんですけど、そこまで内容語れるようなストーリーになってないっていうところが、自分でも笑えるというかなんというか(^^;)
 それと、のっけからエロ☆かよ!!っていう話の展開になってますが、たぶんえっちもどきな描写があるのってそこだけですのっけからふたりがそーゆーことしてるので、中盤か終わりあたりにまたエロい☆のくるかな……と思ったら、実際そっちは全然大したことないので、そゆ意味でもまったく期待せずにお読みいただければと思いますww
 たぶんノリ的にはあんましシリアス度って高くないような気がするんですけどね(^^;)
 まあ、なんか中途半端に変な話書いちゃってごめんなさいなんて思います。。。
 それではまた~!!(^^)/



       CooL&PassioN


   <愛らしい雌鹿、、いとしいかもしかよ。
    その乳房がいつもあなたを酔わせ、
    いつも彼女の愛に夢中になれ>

     (旧約聖書、箴言第5章19節)



     織姫:

 ――真っ暗な闇の中で、真っ先にあたしが気づいたのは、ピチャピチャとかクチャクチャといういやらしい音と、あまりに気持ちがよくて、気が遠くなりそうにぼうっとした自分の頭のことだった。
 そう、それまであたしは夢を見ていた……どんな夢だったのかは思いだせなかったけれど、何かとても気持ちのいい夢。でも、目が覚めてそれが現実の感覚と確かに繋がっていただなんて――俄かには信じられなかった。
「あっ……いやっ!なに……なんなの……!?」
 目を凝らしても暗闇ばかりで何も見えない。ここは虚圏(ウェコムンド)と呼ばれる場所――それはわかっている。自分の現世におけるアパートの部屋でないことくらいは。
 それでも、ラス・ノーチェスの囚われのあの部屋にも、月光が差して微かに明るい。にも関わらず本当に暗闇しか見えないということが、あたしは怖くて仕方なかった。
「目が覚めたか、井上織姫……」
 不意に、聞き慣れた男の人の声がした。
 下半身の熱くなっているところから、指と舌が引き抜かれるのがわかって、「あっ!」といやらしい声を洩らしてしまう。そんな声、誰にも聞かれたくなんてないのに……。
「あっ、いや……っ!!ウル、キオラさ……なにして………!!」
 ――一体、何をしてるんですか、というあたしの言葉はすぐにか細い声となってかき消えた。
 何故って、すぐに彼の細い指よりも重くて強い何かが、全身を貫いていたから……。
「あ……ぅ。はっ……あ、ん……いや、こんなの………!!」
(絶対にいやーーーーーっッ!!)という、あたしの心の絶叫は、誰にも届かなかった。
 あまりの痛みに、自然と瞳が潤み、そこから涙が滲んでしまう。
 そしてそんなところを誰にも見られたくないと思った時に、あたしはふと気づいた。
 そう――自分は目隠しをされていたから、こんなにも暗くて何も見えないままなのだ、ということに……。

 行為が終わると、手の拘束を解かれた。
 けれど、目隠しをしている布までは外されない。
 それであたしは自分の手で、その緩い結び目を解いて――誰にも見られないように、そっと目尻の涙をぬぐった。
 おそるおそる周囲の月光に染まった闇を見渡してみると、部屋の入口付近に、ウルキオラ・シファーという名の破面がいるのがわかる。
 彼はいつものように冷たい一瞥をあたしに向かって投げると、「また来る」と一言いい残して、そこから静かに出ていった。
 あたしはひどく怖ろしくて、恥かしい行為をされたにも関わらず、何故かホッとしている自分に気づいて――とても驚いていた。
 何故といって、手を拘束され目隠しをされていたために、自分の上にのしかかっていた重い影が、本当にウルキオラさんなのかどうか、ハッキリとはわかっていなかったから……もしそれが別の誰かで、彼はその横から自分の痴態を眺めていたとしたらと思うと、あまりにも悲しくて死にたくなった。
「どうして……こんなこと………」
 体を起こしてみると、下半身に激痛が走った。
 ベッドのシーツの上には、血がしみのようになって、こびりついている。
「こんなのひどいよ、ウルキオラさん……っ!!」
 明日、彼がまたこの部屋にやってきたとしても、ウルキオラさんはいつもと同じ、まったく変わらない冷たい態度であたしに接するだろう……そのことが、あたしにはよくわかっていた。
(だとしたら、今あの人があたしにしたことは、一体なんなの……)
 ――ただの気まぐれ?それとも遊び?
 あたしにはわからなかった。ウルキオラ・シファーという名の破面が、あの冷たい仮面のような顔の下で、本当は何を考えているのかなんて……。


     ウルキオラ:

 夜半に女の部屋へいってみると、井上織姫はベッドの上で素肌をさらし、ぐっすりと眠っていた。
 ソファの背もたれには、破面服が置いてある……まあ、あの格好のままで寝るのは確かに窮屈だろうとは俺も思う。
(だが、少々無防備すぎるぞ、女……)
 俺はそう思い、お世辞にも寝相がいいとは言えぬ女の体に、掛け布団をかけてやろうとした。
 花柄のブラジャーに、クマのバックプリントのパンツ(パンティとは、口が裂けても言うまい)……女はそんなあられもない格好のまま、大股を開いた上、よだれを垂らして眠っている。
「むにゃむにゃ……☆」
 そして女の口からこぼれた、一筋のよだれを俺がすくおうとした時のことだった――あろうことか、井上織姫は俺の手を拒絶してよこしたのだ。
 おそらくは無意識のうちにではあったのだろうとわかってはいる。
 だが、せっかく親切心から布団をかけてやった人間(←ホロウ☆)に対して、なんたる仕打ち……俺は思い知らせてやらねば気がすまなかった。
 そこで、女の手を拘束して、まずは拒絶できないようにしてやった。
 これで安心して女のよだれをなめてやれる……すると今度は、「ん……☆」と女が目を覚ましそうな兆候を見せたので、こんなところを見られてはならぬと思った俺は――今度は井上織姫に目隠しをさせてやることにした。
 そしてそうなってみると……。
 今度は俄然、女のブラジャーの中身を見たい衝動に駆られた。
 この女の胸は、通常の平均的な人間の女のそれよりも大きすぎる……ということは、だ。何か隠された秘密があるかもしれないではないか。
 俺は井上織姫のブラジャーのホックを外すと、たわわなそれが横に流れるのをすくうように、両手でそっと揉んでみた。
 どことなく捉えどころがなくて、柔らかい物質だった。
 顔を間に挟んでみると、そのことがさらによくわかる……だがこの時、女がまたしても「むにゃむにゃ☆」と何か言ったので――俺はこんなことをしているのを感づかれてはなるまいと思い、井上織姫から素早く体を離していた。
 いや、実際のところ今夜の俺はどうかしていると思った。
 女がまだしっかり眠っているうちに、手の拘束を解き、目隠しもほどいて、何事もなかったように、この部屋から去らなくては……。
 だが、俺がそう思ったちょうどその瞬間に――女の唇から、ある決定的な一言が洩れたのだった。
「く、ろさきく……そんなことしちゃ、駄目だってば……!!」
 あろうことか、女はくすくすと寝言で笑ってさえいる。
 俺は、そのことが許せなかった――どうしても………。
 そして、一度その気になってさえしまえば、女の体を辱めることなど、いとも容易いことだった。
 それに、この女は(おそらくは)まだ男というものを知らない。
 だったら、今のうちに手をつけておかなければ、いずれは……とも思った。
 だが、当然のことながらそれは犯罪行為正しくないことだった。
 俺が女を陵辱し、どうしていいかもわからず部屋をでていく時の、女の悲しそうな眼差し……自分にしても、何故「また来る」などとわざわざ声にだして言ったりしてしまったのだろうか?
 あの女がそれを望まぬことなど、わかりきったことだったのに……。


     織姫:

 ――翌日の朝、珍しく朝食事にウルキオラさんの姿はなかった。
 給仕係のホロウに聞いてみても、理由はわからないらしく……あたしは若鶏のチーズグラタンにバターミルクパンを食べながら、彼にこの場所にいて欲しいのかがどうかが、自分でもよくわからなくなっていた。
 ウルキオラさんがもしこの場にいたとしたら――あたしは、勇気をだして、きのうの夜に彼がした行為の意味を問いたださなくてはならなかったから……そのことを思うと知らないうちにも、手の指が震えていた。
『勘違いするな、女。あんなものはただの遊びだ』
『おまえがここから逃げる気など失うよう、藍染様に命じられただけのことだ』
『まさかとは思うが、破面に情愛の念があるなどと思ったのか?』
 あたしは、ウルキオラさんがどんなひどい言葉を自分に言ったとしても耐えられるよう――出来るだけ最悪の事態を想定するようにしていた。そしてウルキオラさんが朝一番に姿を見せなかったことに対してホッとするのと同時に、食事が終わると今度は、ただ死刑の執行時刻が少しばかり伸ばされたにすぎないということに気づいてしまったのだった。
(でも、ウルキオラさんは「また来る」って言ってたもの。だったら……)
 あたしは何故か砂時計のついた置き時計を見て、速くウルキオラさんがやってきたらいいと思った。
 いつまでも中途半端な気持ちで、あれこれ頭を悩ませるよりも――それがどんなひどい結果であったとしても、なるべく速く<答え>を知りたかった。
 時間が経てば少なくとも良いほうに変化するというのなら、いくらでも待ちもしよう。
 でもそれが望むべくもないことである以上……あたしは早くウルキオラさんから本当のことを、本当の気持ちを聞かせて欲しくてたまらなかった。

 
     ウルキオラ:

 女の部屋へいってみると、井上織姫は思ったとおり沈んだ顔の表情をして、俺のことを軽く睨みつけてきた。
(存外、いい顔の表情だ、女……)
 井上織姫が、自分の顔を見た瞬間に――殺意のこもった眼差しをするのか、それとも憎しみのこもったそれで睨みつけてくるのか、はたまた臆病に視線を逸らせるのか……俺にはわからなかった。
 だが、今俺が目にしたところによると、殺意も憎しみもなく、ただ井上織姫は思っていた以上に平静な様子だという、それだけだった。それでいて、奇妙に芯の強い眼差しで、1ミリも視線を逸らすでもない女の態度に、俺は感服に近い気持ちさえ覚えていたといっていい。
「どうした、女……朝食はどうやらぺろりと平らげたらしいな。結構なことだ」
 俺がどこか面白がるようにそう聞くと、井上織姫は途端に顔を背けていた。
(そうか、わかったぞ。こんな卑劣な男とは、二度と口など聞くものかという戦法だな……)
「俺と口など聞きたくないというのなら、それもいい。嫌いたければ嫌えばいいし、そして軽蔑したければ軽蔑するといい……だが、一応これも俺の任務のうちなんでな。時々は様子くらい見にくるさ。もっとも、もしおまえが俺の存在を耐えがたいと感じるなら、誰か他の適当な者がおまえの世話をするよう藍染様に進言してもいいがな」
「………なんですか?」
 女の声があまりにか細くて、聞きとれなかった。
 それで俺は、女が次の言葉を発するまで、数秒の間待っていた。
「きのうあなたがしたことも、仕事のうちっていうことなんですか?」
(馬鹿な……)
 女の背中が微かに震えているのを見てとって、俺はどうしたらいいかわからなくなった。
(まさかとは思うが、俺がただ上からの命令であんなことをするとでも?)
「そうだ、と言ったら、おまえはどうする?」
「……………!!」
 俺にもよくはわからなかったが、女にとって何かがひどくショックだったらしいことくらいはわかった。
 まあ、ある意味当然ではある……ただ強引に辱められ、その相手から謝罪の言葉も何も聞けなかったとしたら――俺が女の立場なら、おそらく絶望することだろう。
「わかり、ました」と、女はやっとのことで言葉を絞りだすように言った。俺から顔と体を無理に背けるような姿勢をとっているために、顔の表情まではわからない。
「それなら、もういいです……あんなこと早く忘れろって、あたし、そう解釈していいんですよね?」
 俺は数秒――いや、もしかしたら数十秒の間――沈黙してから言った。
「ああ、そうだ」
 そしていつもどおり、カッ、と踵を返すと、それ以上は何も言わず、女の部屋からでていくことにした。
(……本当に、気丈な女だ)と、そう思った。


     織姫:

 死刑執行人は、残酷な言葉をただ淡々と述べて部屋から出ていった。
「本当に、馬鹿だ、あたし………」
 涙が次から次へと頬を伝わっては落ちていく。
 ウルキオラさんからはっきりと言葉にされて、初めてあたしは自分の本当の気持ちに気づいていた。
<仕事>でも<藍染様からの命令>でもなく――また<遊び>でも<気まぐれ>でもなく、彼個人の何か私的な気持ちから、あんなことをしたんじゃないかって………。
 自分で思っていた以上に、そう期待していたことが恥かしくてたまらなかった。
『どうやら俺は、おまえのことが好きらしい』
『昨晩はあんなことをしてすまなかった』
『自分でもどうかしていたと思う』
 ――彼からいつもの冷たい口調で否定的なことを言われるよりも、どことなく優しい口調で何かあたたかい言葉をかけてもらえるのではないかと、自分は思っていた以上に期待し、その希望に必死でとり縋ろうとしていたのだ。
(だって、本当に優しかったんだもの。キスの仕方ひとつひとつが……まるで、消えない傷痕を癒すみたいな、そんな感じで………)  
「忘れるなんて、できるわけないのに……ひどいよ、平気でこんなことするなんて。ウルキオラさん………っ!!」
 ――その日、あたしはぼうっと痺れたような頭で、午後の時間いっぱいを過ごした。
 ウルキオラさんにとってはただの<仕事>でも――あたしはそれでも時々、彼の細くて白い指が自分にきのう何をしたかを思いだして、体の中に甘い痺れのようなものが甦るのを感じていた。
 でも、ウルキオラさんが夕食時にまたやって来ても、あたしはただ興味のない対象に目を移すような、そんな態度をとることしか出来なかった。
(だって、それがあなたの望みなんでしょう?体の関係を持ったからといって、変にベタベタされたくもなければ、鬱陶しくつきまとわれたくもない……だったら、あたしも彼に合わせて、必要最低限の会話を交わすことくらいしか、どうがんばっても出来ないもの)
「今日の献立は、筍の炊きこみ御飯に天麩羅と蕎麦か……女、茶碗蒸しもきちんと食え。それとデザートにはレモンシャーベットと桜餅を用意してあるからな。どうした、梅昆布茶は嫌いだったか?」
「……好きです」
 あたしは真っ赤になりながら、梅昆布茶を一口だけすすった。
 どうしてかはわからないけれど――ウルキオラさんはあたしが美味しそうに食事をすると、心持ち嬉しそうな顔をする。そして逆にあたしの箸やスプーンが進んでいないのを見ると、微かにイライラしたような表情を見せるのだった。
(これまではずっと、それをウルキオラさんの<優しさ>だとあたしは思ってきたけれど……でも違ったんだ。ウルキオラさんはただ、職務に忠実だっていう、それだけで……本当は、あたしのことなんてなんとも思ってないのよね。だからゆうべのことだって………)  
 あたしはまた哀しみがこみ上げてくるあまり、デザートの桜餅とレモンシャーベットを見てもあまり喜べなかった。
 そう、この組み合わせは和食の流れとしてはあまりにおかしいかもしれない。
 これまでにも、わらび餅と苺ゼリーとか、奇妙な組み合わせのことは何度もあった。はっきり聞いてみたことはないけれど、ウルキオラさんはどうも、<人間の女はどういう食事を好むか>についてリサーチをしてから部下に献立を作らせているらしく……それでいてどうも時々、こういう種類の誤解が生じるのらしかった。
(でもあたし、嬉しかったの。たとえそれがただの<仕事>や<任務>から生じた、義理に近い気持ちだったとしても……ウルキオラさんがあたしのために、色々気を配ってくれることが。それなのに、今はそのことがこんなにも苦しいだなんて………)
「どうした、女。口の端にごはん粒がついているぞ?」
「えっ!?」
 あたしがハッとして、頬のあたりをごしごし☆こすってると、不意にすぐそばからウルキオラさんの白い指が伸びてきた。
「こっち側だ、女。筍の炊きこみごはんはうまかったか?」
 ウルキオラさんの細い指が左の頬に触れた瞬間――思わずあたしはビクッ!っとして、身を引いていた。
(やだ、あたし……どうしよう。恥かしい………)
 咄嗟のこととはいえ、馬鹿みたいに大袈裟な態度をとってしまったことに対して、あたしは自己嫌悪に近い気持ちになっていた。ゆうべのことがあって、意識しすぎてるっていうことがバレバレだった。
 もう、ウルキオラさんとまともに真っ直ぐ視線を合わせることさえ出来ない。
 でも、そんなあたしの気持ちが伝わったのかどうか、真っ赤になって俯いているあたしに対して、あくまでも彼は最後まで優しかった。
「そうか。まあ、デザートくらいひとりでゆっくり食べるといい。いつも十割何も残さず食えとまでは言わないが――まあ、八割食っていれば、俺の仕事としては十分だといえるからな。それじゃあまた、様子を見にくる」
「……はい」
 正直、ウルキオラさんがすぐに立ち去ってくれてホッとした反面――たったひとりでデザートを食べていると、自然と寂しいような気持ちがわき上がってきた。
『美味しいか、井上織姫』
 彼はいつも決まって、そう聞く。『まずいならまずいと、はっきりそう言え』と言われたこともある……そしてあたしがあまり好きじゃないといったものに関しては――その後、食卓にでてきたことは一度としてない。
「ウルキ、オラさん……あたしっ………!!」
(――あたし、本当はこんなにもあなたことが好きなのっ!!)
 そう大きな声で、彼の背中に向かって叫ぶことが出来たらどんなにいいか……あたしはそう思いながら、桜餅とレモンシャーベットの上に、涙の粒をいくつも落としていた。


     ウルキオラ:

 ――女から、また拒絶された。
 そう、あの反応はあの夜と同じものだ。
 もちろんあの時は、無意識のうちに俺の手を払ったに過ぎないのだろうが……今度は、ごはん粒をとろうとしただけで、女はビクリと体を震わせていた。
(……そんなに、俺という存在が嫌か)
 反射的にああした拒絶反応がでるということは、よほど俺のことを嫌悪しているのだろう。
 それでも食事の間は、いつもどおりほっこりしたような笑顔を浮かべていたのに……。
(まあ、これも言うなれば自業自得というやつだ。突発的に生じた欲望を抑えこんでさえいたら、あの女の怯えたような態度も少しは緩んでいただろうに……)
 自室のベッドで何度も寝返りを打ちながら、俺は井上織姫のことを考え続けていた。
 いや、本当はあの女のことなど一切考えまいとするのだが――そうすればそうするほど、昨晩あった出来事や、女の顔の表情のことなどが嫌でもしつこく思い浮かんでしまう。
 そしてついには、もうここまで軽蔑すべき対象として、あの女から嫌われているのだから……「これも仕事だ」、「任務だ」と言って、井上織姫のことをもう一度抱いてやろうという気になった。
 そう――自分の思考といったものをこんなにまで支配している井上織姫という女のことを、俺は壊してやりたくなったのだ。

「だ、誰……!?」
 女の部屋へいくと、井上織姫はまだ起きていた。
 といっても、ソファの背もたれには破面服が置いてあり、女はベッドの上で就寝しようとしていたところらしい。
 時刻は人間の世界でいういわゆる丑三つ時――俺はこの時間に女の部屋を訪れたことが何度となくあるが、井上織姫が起きていたのは、今日が初めてだった。
「なんだ、まだ起きていたのか……まさかとは思うが、俺がくるのを待っていたというわけではあるまい?」
 思わず、自虐的な言葉が口をついて出た。
 女は何も答えなかったが、怯えているらしいことはその霊圧からも明らかだった。
「ウルキ、オラさん……!?どうして………」
 井上織姫は、布団をかき集めるようにして、首から下の体を必死に隠そうとしている様子だった。
(俺はすでに、おまえのだらしのない寝相と下着姿は、見飽きてるんだがな……)
 そう思いつつ、俺はベッドサイドに腰掛けていた――女には背中を向けるような姿勢をとることにする。
「おまえは知らんだろうが、俺は大体この時間に、一度はこのあたりを見回るようにしている……もしおまえに何かあったとしたら、藍染様から叱責されることになるからな」
「……はい、わかっています」
 何故かはわからなかったが、この時俺はなんとなくイラッとした。
「わかっているだと?毎晩、ぐっすり眠りこけている貴様が、俺の存在に気づくはずがあるまい?きのうだって――………」
 と言いかけて、俺は口を閉じた。
 そうだ、この女は昨晩あったことについては忘れたいと言ったのだ。
 その意志については尊重しなければならない……そう思いつつ、俺は自分が矛盾した行動をとろうとしていることに気づいていた。
 何故といって、女が「忘れたい」と思っている行為を、さらに強く焼きつける形で行いたいと思い、今自分はここに来ているのだから……。
「ごめんなさい、あたし――どうしたらいいですか?ウルキオラさんが望むとおりに、好きなとおりにしてくださいっ!!」
 俺は思わず、弾かれたように女のほうを見た。
(好きなとおりに、だと……この女、本当に自分の言っている言葉の意味を理解しているのか?)
「井上織姫、おまえ………」
 俺は、自分でも気づかないうちに、女のほうへ向けて自分の手を伸ばしていた。
 そして女がその俺の手をつかみ、自分の心臓の上へと重ねる。
「あたし今、恥かしいくらいドキドキしてる……ねえ、わかる?だってあたし、こんなにもウルキオラさんのことが……」

 ――好きなの。

 一瞬、俺は自分の耳がどうかしたのかと思った。
 震え、硬直しているのが自分の体なのか、それとも押し倒してやった女のほうのそれなのか――まるで区別がつかない。
 だが、そんなことは今はもうどうでもよかった。
 女は……井上織姫は確かに自分の意志で俺の首や肩を抱き、そして拒絶することなく俺という存在のすべてを受け容れていた。
 可愛いあえぎ声も両手にあまる胸も何もかも――すべては俺のものだと思った。
 もちろんそれは<所有物>という意味ではない。
 ただ織姫自身が俺に向かって自分のすべてを解放し、明け渡してくれたから、俺は生まれて初めて、<お互いのものになる>ということの意味を理解することが出来たのだ。

「おまえは、何故こんなにも優しいんだろうな」
 俺は、織姫が自分でつけた爪の痕を治すのを眺めながら――どこかぼんやりとそう聞いていた。
 織姫は俺の背中についた傷を、あたたかな太陽のような光で癒している……「俺の体の傷は自動的に治るから放っておけ」と言ってはおいたが、「どうしても治す」と言って女が聞かなかったためだ。
「そんなこと言ったら、ウルキオラだって優しいでしょ?それにあたし――自分が優しいかどうかってよくわかんないかも。ただ、他にどうしたらいいかわからないっていう、それだけで……」
 えへへ☆と、どこか照れたように笑う織姫のことを、俺は愛しくなってまた抱きよせた。
 そして女の柔らかい感触のする手を握り、そこに口接ける……織姫は今も、体のどこかにそうした時と同じく――時折ビクッ!っと拒絶反応的に震えることがあった。
「本当は俺のことが嫌なんじゃないのか?」と聞いたら、
「そんなこと……っ!!」と言って、慌てるようにブンブン首を振っていたっけ。
「よくわからないけど……ウルキオラが触るやり方って、どこか官能的なんだもの。一瞬ゾクッ!っと体に寒気のようなものが走って――でもそれがすごく気持ちよくて、あんまり気持ちよくて、わけがわからなくなるの……」
「よくわからんな」
 そう言って俺は、これまでの自分の行動を客観視するとしたら、自分でも相当にわけのわからないことをしていたと思う。
 たとえば、織姫の栗色の髪に何度も触れて「おまえの髪は太陽の匂いがするな」と言ってみたり、特に意味などなく、女の胸の間に顔をうずめてみたりといったようなことだった。
「おまえのように大きな胸の女のことを、人間の世界では俗に<巨乳>というらしいな」
「あ、あたしその言葉きらいっ!!巨乳の女は頭が悪いとか、お尻が軽いとか、変なこと言う人が多いんだもの。あたしは少なくとも……」
 織姫の言葉を遮って、俺は先にこう言った。
「頭の中身はスッカラカンじゃないし、お尻も軽くないと言いたいのか?だが、残念ながら、俺とこうしてる時点でおまえは……」
 すると、織姫は俺の頭の下から枕を引き抜き、思いきり殴りつけきたのだった。
「ウルキオラさんのバカッ!!えっち!!どうしてそうデリカシーがないの!?」
「……わ、悪かった」
 絶えざる枕の猛攻撃に耐えかね、俺はとりあえずあやまっておくことにした。
 特にあやまらなければならぬほどのことでもないとは思ったが、まあそれはいい。
 なんにしても、幸せな夜だった。


     織姫: 

 ――突然ですが、あたし井上織姫は、子供ができてしまいました。
 え?想像妊娠??
 違いますってば、正真正銘ウルキオラさんとの間の子供です。
 ホロウと人間の女性が交わって、赤ちゃんができるなんて、滅多にないケースらしいけど……結局のところ、霊子と霊子が結びついてなんていうか新しい生命体が生まれたといいますかですね、そういうことらしいのです。
 それと、藍染様のお話によると――あたし自身が子供を欲しいと願う気持ちが強かったから、結果としてそういうことになったんじゃないかっていうことでした。
「君には、もともと普通の人間には考えられない能力があった。だからこれもおそらくは似た種類の、その能力の延長線上にある何かじゃないという気が、わたしはする。なんにしても珍しいことだから、我々としても新しい子、その新しい力の誕生を見守っていきたいと思う……織姫、くれぐれも体のほうは大切にするといい。まあ、わたしが心配しなくても、ウルキオラがわたしの百倍君の身を案じて守ってくれるだろうから、その心配は無用といえるかな?」
 そう言ってくすくすと笑う藍染様の御前で、ウルキオラはどこか少しだけ臍を曲げたような、微妙に複雑な霊圧をしていたけれど――本当に彼は、わたしの身を自分のこと以上に心配してくれています。
 最初、「子供ができたみたい」と伝えた時には、ウルキオラがどんな態度をとるか、心配でたまらなかったけれど――藍染様がそのことを承認してくださってからは、妊婦と胎児に優しい食事作りとか、色々なことに心を配ってくれています。
 さすがに虚圏(ウェコムンド)という場所は胎教に悪いとウルキオラが言った時には、あたしも思わず笑ってしまったけれど……「この子はきっと、どこで育っても強い子になると思うの。だって、あたしとウルキオラの間に出来た子だもの!」と言ったら、彼も妙に納得していました。
 そう――今すぐに、ということでなくて、いつかこのお腹の子が、死神や人間やホロウを結びつける、いい意味での平和の使者に育ってくれたらって、あたしはそう願わずにはいられません。
 だって、本当に<愛しあって>奇跡的に出来た子供が、悪い子に育つだなんて、あたしにもウルキオラにもとても思えなかったから!!



 終わり
 



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