探偵L~人狼伝説殺人事件~(18)<前篇>

 ウェブリって20000文字以上入らないので、今回の(18)は前・中・後篇の三つに分けることにしました
 それで、それぞれの前文に何を書こうかな~なんて思ったり。。。
 いえ、べつに何も書かなくてもいいんですけど、なんとなく(笑)
 とりあえず、前篇にはLたんとウルたんの対談(?)について書いて、中篇はブリーチのこと、後篇はモンゴメリのことでも書こうかな~なんて思ってます♪(^^)
 ではでは、まずはL×ウルたんの対談からいってみることにしますね(笑)
(※注:以下はあくまで個人的な二次設定によるものですので、あまり深く考えないようにお願いします^^;)


   ~ブリーチ41巻、ウルたん追悼記念対談☆~

 ウルたん:「追悼か……そもそも魂魄だけの存在である俺に、追悼も何もあったものじゃないと思うが」

 Lたん:「いえ、なんというかお疲れさまでした。41巻、ここの管理人は胸がズキズキ☆痛むあまり、当分の間開きたくないとか言ってましたが――まあ、わたしにも似たような経験がありますので、その気持ちはよくわかります」

 ウルたん:「そうだったな。そういえば貴公も、デスノートの⑦巻で、ホロウ☆になってもまったくおかしくない最期を遂げたのだったな」

 Lたん:「ええ……ですがまあ、わたしの場合映画のスピンオフ企画だのなんだの、原作以外にも色々ありましたし、救いがあるといえばあったような気もします。でもウルキオラさんは、本当にあれで良かったんですか?」

 ウルたん:「べつに、いいも悪いもあるまい。とりあえず、<心>は今も俺のこの掌にある……ただそれだけのことだ」

 Lたん:「そうですね。わたしは夜神ライトがキラであることを確信し、また映画のほうでは彼の悪事を暴くところまで、キラのことを追い詰めもしました。ところでウルキオラさんは、ブリーチの撮影終了後、今はどうなさってるんですか?」

 ウルたん:「女と暮らしているが、それがどうかしたか?」

 Lたん:「幸せ、なんですか?」

 ウルたん:「さあな。そんなことは女に聞け……というか、貴公に会うと言ったら、世界一の探偵のサインが欲しいとせがまれた。サインしてもらってもいいか?」

 Lたん:「ああ、それでわたしも思いだしました。前にラケルが織姫さんと会った時に、ウルキオラさんが抹茶のスイーツを好きだと聞いたらしくて、今回彼女に色々持たされたんです」

 (Lたん、ラケルから持たされた風呂敷を広げる☆)

 ウルたん:「む……これは、抹茶大福に抹茶モンブランに、抹茶最中に抹茶のロールケーキ……何やら女が余計なことを言ったようで、申し訳ないな。だがまあ、せっかくだから遠慮なくいただくとしよう」

 Lたん:「そうですね。ついでに、管理人が抹茶ラテなるものも用意したようなので――こちらも遠慮なくいただくことにしましょう」

 (暫く無言で互いにスイーツを食べあうLたんとウルたん☆)

 Lたん:「ところでウルキオラさんは、これからブリーチがどうなると思いますか?」

 ウルたん:「さあな。俺は女の出番のあるところ以外、ほとんど読まないが、時々女が演技のアドバイスを求めてきた時に、少しばかり手ほどきしてやる程度のことだ」

 Lたん:「じゃあ、織姫さんが出番がなくて休みの時には何をしてるんですか?」

 ウルたん:「そうだな。家でDVDを見たり、あとはドライブにいったついでに外で食事をしたりとか、そんなところか」

 Lたん:「夜には何をしてるんですか……って、ここの管理人はろくな質問をわたしにさせない気ですね。とりあえず質問表にそう書いてあるので、一応聞いてみましたが」

 ウルたん:「夜か。夜は――ちなみにL・ローライト、貴公は何をして過ごしている?」

 Lたん:「さあ?事件の解決のために、不眠不休で働いてるっていうのが原作の設定ですからね、そんな感じなんじゃないでしょうか」

 ウルたん:「そうか。貴公から言ってもらえないのであれば仕方ない。俺はきのうの夜もおとついの夜もその前の夜も――オフの井上織姫とずっと一緒だった。出来れば早く子供が欲しいのだが、女の腹が大きくなると撮影に差しつかえるんでな……色々と面倒なことになる」

 Lたん:「ああ、わたしもアレは嫌いですね」

 ウルたん:「やはり、貴公もか。だが、女はブリーチのレギュラーキャラ☆なんでな、この先ブリーチの連載が続く限りは……なかなか好きなようには出来ん」

 Lたん:「そうですか。では大変ですね、噂で聞いたところによると、ブリーチは破面篇が終わったあとも、まだまだ話が続くということでしたから」

 ウルたん:「そうか……やはりな。女も出番のない時は結構休みが多いのだが、さすがに育児休暇をとるわけにもいかないだろうし――まあ、子供さえ無事生まれれば、あとは俺がひとりで面倒を見てもいいのだがな」

 Lたん:「存外、子煩悩なんですね、ウルキオラさん」

 ウルたん:「ああ。もし生まれた子供が女だったら――絶対に嫁になぞいかせんだろう」

 Lたん:「その点、ある意味うちは息子でよかったかもしれません」

 ウルたん:「まあ、男にしろ女にしろ、健康に生まれてくれるのが一番だがな」


 (そんなわけで(どんなわけだ^^;)、特にこれといった盛り上がりもなく、淡々とL×ウル☆対談は終了……ウルたんはLたんにサインしてもらうと、抹茶のスイーツをお土産に持って帰ったみたいです・笑)


 Lたん:「どうでもいいですが、この対談には何か特に意味があったんですか?」

 ムラキャミ☆:「ふえ?えーっと、なんかLたんにウルたんのことを励ましてもらおっかな~なんて思っただけなんだけど……なんか失敗企画だったかなあ

 Lたん:「ええ、べつにウルキオラさんはプライヴェートでは幸せなようですし――あなたが余計なお節介を焼く必要はまったくなかったと思いますが」

 ムラキャミ☆:「そっか~。でもさー、41巻読んである意味あまりにもあんまりすぎる☆と思ったもんだから、かつて似たような目にあったことのある、ジャ○プの先輩として、Lたんがいいこと言ってくれるかな~なんて思ったのら~♪」

 Lたん:「ああ、そういえば、そのうちまたウルキオラさん、ネタ☆を提供してくれるそうですから――あなたも二次で色々書いたらいいんじゃないですか?」

 ムラキャミ☆:「ふぁ~い。そんじゃ是非ぜひそうしまっくす!!♪^^」

 Lたん:「まあ、わたしの話もこの(18)を越えれば、残り2回程度ですからね。あなたも、お疲れさまでした」
 ムラキャミ☆:「ふぇ?えええ、Lたんどうしたんですきゃ!?このクマのことをねぎらうなど……!!」

 Lたん:「いえ、ウルキオラさんもそうでしょうが――あなたも含めて、自分の幸せを願ってくれる人がたくさんいるというのは、幸せなことですから」

 ムラキャミ☆:「う゛~んLたんもまた、公式で何かあるといいね。ハリウッドの映画化以外にも色々……」

 Lたん:「どうでしょうね、まあわたし個人はあまり期待してはいませんが」

 ムラキャミ☆:「嗚呼、ほんと、どうなるんだろう、ハリウッド版デスノート……


 ――何か意味のない内容で申し訳ないんですけど(汗)、まあ、ウルたんと織姫ちゃんは二次世界でラブラブしてるのが一番だと個人的には思ってます
 うん、Lたんも色々な意味で今も幅広く愛してくれる人がいるから、『ソフィーの世界』の中にもあるとおり、「彼らはクジに当たらなかったゆえに、いやむしろクジに当たらなかったからこそ永遠に生き続けるのだ」と自分的には思ってます。。。
 まあ、次の中篇では、にも関わらず色々ブツブツ☆ぼやいてますが(笑)、独り言なんで、気にしないでくださいww
 それではまた~!!(^^)/



       探偵L~人狼伝説殺人事件~(18)<前篇> 

          第17章
 
 獣の姿に気をとられるあまり、Lはジョンの気配にまったく気づかなかった。だがよく見ると、あたりにはいくつもの懐中電灯の光と人の影とが、次第にはっきりと輪郭をとりつつあったのである。
 全体長が一メートル半ばかりもある、犬ともオオカミともつかない野獣は、またもLに向かって攻撃を加えようと、前足をかいている。
 たが、ジョンがそれをさせなかった。
 ジョンはなんのためらいも容赦もなく三十口径のライフルの銃弾を獣に向かって放ち――それが野獣の肩にあたり、脇腹にあたり、そして最後に心臓のあたりに命中してその獣が完全に動けなくなるまで、決して攻撃の手を緩めようとはしなかった。
 ――ドン!!ドン!!ズドン!!
 そう重い銃声が鳴り響くたび、耳を塞ぎたくなるような、なんともいえない悲鳴に近い野獣の叫び声が辺りに響き渡る。
「これは、大型の犬とオオカミをかけあわせたものなんじゃねえか」
 ルイス・マクドネルが、赤い目をした黒い獣が完全に動きを止めるのを見計らって、犬の遺体を見下ろしながらそう言った。
「たぶん、マスチフとオオカミの混血か何かだろう」
 村の、いつも見慣れた顔の男たちが、身を隠していた潅木や茂みの間から、次々と姿を現す。ジャック・マーフィ村長、ジョージ・ホプキンス、ヘンリー・クラーク……Lはデイヴィッド・マクレガーに固い縄で腕を後ろ手に縛り上げられながら、鈴の音の主が登場するのを、ただじっと待っていた。
 やがて、Lと同じように腕を後ろに縛られた格好のひとりの女性が、ジェイムズ・マクダーモットに引き立てられるようにして、月光に美しく輝く妖精の泉の前へ姿を現す。
「今日は、お仕事は非番の日ですか」
 Lはどこかのんびりとした口調で、彼女――アデル・クライン=ヴォーモンに対してそう訊いた。
「何も、殺すことはなかったでしょうに」
 自分が人殺しのために操っていた動物の亡骸を見て、アデルは悔しそうに下唇を噛みながらそう言った。その瞳は満月の光を受けて、青白い炎のような憎しみに輝いている。
「こんな、人を喰い殺すように調教されたケダモノを、生かしておいて一体何になるっていうんだ」
 マクダーモットは、ぐいっとアデルを縛りつけているロープを引き立てながら言った。
「大体、あんたが自分の父親のエドガー・ヴォーモンだけを殺してやめておけば、俺たちだってこんなことはしなくてすんだんだ!!」
「そのくらいでいいだろう、ジェイムズ」
 マーフィ村長は、シェルダン家とオコノフィ家の人間が今にも銃を発砲しそうに待ち構えているのを見て、彼らに対しても気持ちを抑えるよう、手で制しながら言った。
「アデルさん、お会いするのはお父上の葬儀の時以来でしたかな……わたしたちはまさかこの凶行の犯人があなただとは想像してもみませんでした。こんな恐ろしいことをするのは、てっきり男だろうとばかり思いこんでいたんです。ですがあなたのように、看護師として都会で働いている立派な女性が実の父を殺すような真似をしたからには――おそらく、それ相応のご事情があるのでしょうな」
「ええ、そのとおりよ。あたしはあの男が大っ嫌いだった。物心ついた時から、心底憎みながら毎日一緒に暮らしてきたんです。頭や顔を撫でられただけでも、ぞっとするほど身の毛がよだったわ……さっき、あたしを縛り上げた男が――誰だか名前は知らないけど――ヴォーモン家の人間は血が悪いから、こんなことになったんだって言ってたわね。ええ、まったくそのとおりよ。あたしも、自分の心の奥深くに眠る、その悪い血統に飲みこまれて、こんなことをしてしまったんだわ……さあ、警察にでもどこにでも突きだすがいい!洗いざらいすべて、本当のことを話してあげるから!」
「くそっ!こいつはポリーの仇だ。警察なんかに渡す前に、この俺がこの手で殺してやる!!」
 ポリーの婚約者だったロバート・オーエンが、ライフルの銃口を美しい殺人者に向けて放とうとした時――てっきり息絶えたとばかり思っていた黒い獣が、突然むっくりと起き上がった。
 ――ズダーン……!!
 銃声よりも一秒遅れる形で、黒い体躯に赤い瞳をした獣は、今度は悲痛な叫び声を上げるでもなく、ドサリと地面に倒れこんだ。
「ルディ!!」
 アデルの手から、殺人の合図として使っていた鈴が、繁みの中へと転がり落ちる。
 自分はただ、憎しみの道具として彼のことを利用していたに過ぎないのに――最後まで飼い主のことをルディは信じ、守り抜こうとしたのだろうか?そう思うとアデルは、自分がしたことに対する罪の大きさについて、涙を流さずにはいられなかった。
「彼女は、本当は何も悪くない」
 今度こそ本当に野獣が死んだのかどうかと、村の男たちがおそるおそるルディに近寄ろうとしていると――不意に闇と影との区別のつかぬ木立ちの間から、静かな男の声が響いた。
 それは、動物行動学者のジェフリー・アイズナー博士の穏やかで優しい声音だった。
「ああ、可哀想に……」
 村の男たちの間をかき分けるようにして、博士はルディの前までくると――その見開かれた赤い瞳を、跪いてゆっくりと閉じさせてやろうとした。
「ジェフリー……」
「やっぱり、失敗したんだね、アデル。今度ばかりはきっとうまくいかないだろうと、僕もそう思っていたよ」
 その時に、彼らが見交わした一瞬の眼差しの表情で、このふたりがおそらくは愛しあっているのだろうということが――周囲の誰の目にも明らかだった。
「すみませんが、エルバート・ワイミーさんの手をほどいてあげてくれませんか?彼は決して、僕のような薄汚い下手人というわけじゃない。むしろ、のちには彼がこの村へやってきてくれたからこそ、この不可思議な一連の事件が解決されたのだと、誰もが知る結果となるでしょう……僕には、本当は最初からわかっていたんです。彼が僕の家へやってきて、オオカミについて専門的なことをいろいろ質問していくたびに――『自分には本当のことがすべてわかっている、自首してはいかがですか』と、暗に勧められている気がしたものでした。まあ、もしかしたらそれは僕自身の心にやましいところがあるから、被害妄想的にそう感じただけかもしれませんが……なんにしても、彼は立派な良い青年ですよ。僕はいずれ最後には彼を殺さなければならなくなると、最初に出会った瞬間に直感していました。そして彼のことを殺すことができなければ、自分のほうが死ぬしかないと、わかっていたんです」
 マクレガーがきつく縛り上げたロープをジョンがほどいてくれると、「ありがとうございます」とLは彼に対して礼を言った。
 そしてLは、もしこの場に目に見えない形で妖精が存在しているのだとしたら、これからなされるであろう人間たちの<真実>についての感情劇をどう思うのだろうと想像しながら――妖精の泉の流れる、突きでた岩のひとつに、いつもの座り方で裁判官として着座したのだった。
「わたしが思うに――ここに集まった村の人たちは、ポリー・シェルダン嬢が殺されて以来、警察には頼らず自分たちの手で犯人を捕まえるために、満月の夜になると集まっていたのだと思います。最初はあなたたちも、これは三百年前に村を襲ったような、おそろしい野獣が存在しているのだと思ったかもしれませんね……ところが、三人目の犠牲者であるルパート・オコノフィが襲われた時も、あなたたちはこの野獣を捕えることが出来なかった。そこでまず、村の人たちが一番知りたいに違いないこと――何故ポリー・シェルダン嬢と純朴な郵便配達員のふたりが殺されなければならなかったのかを、説明してもらえませんか?」
「僕は、ポリーさんに恐喝されていたんですよ」死んだ野獣の背中を、すまなそうに何度も撫でさすりながら、アイズナー博士はそう語りはじめる。「理由は、今回ワイミーさんを殺害しようとしたのとまったく同じ動機からです。彼女はオオカミが好きだと言って、ヴォーモン氏が死んで以来、よくうちに遊びにきていたんですが……彼がああいう死に方をしたことで、おそらく内心では僕のことを疑っていたんでしょう。好奇心は猫をも殺すと言いますが、彼女が死ぬことになったのはその好奇心ゆえです。僕はタンスの奥に、地下室に通じる隠し扉を作っておいて――そこでルディのことを飼っていたんです。ポリーさんは直感的に、どこか見つからない場所にオオカミをもう一匹隠すとしたら、自分ならどうするかと考えたんでしょうね……僕が外の敷地でオオカミたちの相手をしている時に、彼女は僕の家へ不法侵入したんですよ。そしてポリーは僕にこう言ったんです……『ヴォーモンが死んだことなんてわたし、なんとも思ってないわ。でもそのかわり、黙っているに値するだけのお金が欲しい』と。僕はすぐに『わかった』と答えましたが、その時にはもう彼女を殺そうと心に決めていました。そして自分の不幸な生い立ちのことなどを話してポリーの同情を引き――彼女が僕に対して愛情を感じるくらい信じさせたあとでポリーのことを殺しました。彼女はたぶんマリッジ・ブルーとかいうやつだったんでしょうね。婚約者や他に言いよる村の男たちがたくさんいたにも関わらず、外から来た一風変わった学者のほうに心を惹かれるようになっていたんですよ。ポリーは最後には『お金なんていらないから、あたしをここから連れて逃げて』と言いました。そして僕は彼女と駆け落ちする計画を立て――ある満月の夜に森で待ち合わせたというわけです。
 郵便配達員のルパート・オコノフィを殺したのは、彼が証拠となる手紙を持っていたからでした。彼はポリーの幼馴染みであると同時に、熱心な彼女の崇拝者でもありましたから……ポリーは少し浮気っぽいところのある娘として、村のご婦人連には評判が悪いですが、恋人ではなく友達として、彼女はルパートのことを芯から信頼していたんです。僕などの目からしてみれば、彼女は結婚相手として彼のことを選ぶべきだったと思いますね……実際、彼はとてもいい奴でした。むしろいい人間すぎて、人を信じやすかったんでしょうね。早死にするのは善人だけという言葉は、まるで彼のためにある言葉のようでした。ポリーが死んだ数日後にルパートは僕の家までやってきて、その手紙を見せるなり、涙を流しながら熱心に自首を勧めてきたんですよ。手紙には、家族にも誰にも秘密にしてあるけれど、僕と駆け落ちして二度と村へは戻らないということ、ルパートのことを親友として世界一愛している、だからあなたにだけは本当のことを伝えておきたかったというようなことが書いてあって――僕がルディを使ってヴォーモン氏を殺したとか、そうしたことについては何も書いてありませんでした。ですが、ルパートがその手紙を警察に見せれば、結果としてすべての容疑は僕に向けられることになり――前回は敷地内で飼っているオオカミたちのDNAをとられるだけですみましたが、今度は絶対に家の中を隅々まで調べられるでしょう……そうなれば僕は破滅でした。
 僕はルパートに対して、絶対に自首するから二か月か三か月、時間が欲しいと言ったんです。そして悩みに悩んだ揚げ句に――自首しようと思うから、例の手紙を持って僕の家まできてくれと頼んだんですよ。そして隙をついて彼のことを殴り倒すと、地下室で腹をすかせているルディに、彼のことを噛み殺させたんです。そして遺体を森にある底なし沼の近くに放置しました……もちろん警察や警察の扱う犬たちだって馬鹿じゃありませんからね、僕はそうした点については動物行動学者として彼らの上をいく方法をとっていましたから、現場では相当混乱したんじゃないかと思いますよ。おそらく僕は、ヴォーモンのことを殺したあと、すぐにルディのことを始末すべきだったんでしょうが……でもそうすることが最後まで出来ずに、今日という日を迎えてしまいました。何故といってルディを殺すということは、僕自身の魂を殺ことでもありましたから」
 淡々と平板な声で、学術論文でも読み上げるかのような口調で、ジェフリー・アイズナーはそう話をし終えた。
 彼はまるで、自分が殺したポリー・シェルダンやルパート・オコノフィよりも、今目の前で天に召された一匹の獣のほうがよほど大切だとでもいうように、ルディの黒い毛並みを何度も優しく撫でている。
 ルパート・オコノフィの父親と、彼のふたりの兄やおじ、またポリーの父親と彼女の婚約者であったロバート・オーエンなどは――もはや、あまりのことに言葉もない様子で立ち尽くしたままだった。
 実は彼らの頭の中にはこの時、ポリーやルパートがその死の数か月前に何をし、どんなことを自分たちに話していたかが、まるで走馬灯のように浮かんでは記憶の彼方に消えていたのである。
 ポリー・シェルダンの父親、アダム・シェルダンなどは、娘が小さな頃『ナルニア国物語』を熱心に読んでいたことまで思いだしてしまい――その幼い頃の娘の姿が目蓋の裏に浮かぶあまり、その場にがっくり膝をついて、泣き咽いでいたほどだった。
 やがてあたりは、夜の森独特の静謐さに包まれると、秋も深いことを告げる虫の音と、サラサラという泉の清冽な水音だけがその場を支配するようになっていた。Lは他の誰からも――村長のジャック・マーフィからさえも――なんの発言もないのを見てとると、話をさらに核心的な方向へ向けようと思い、口火を切ることにする。
「あなた方、村の人々にとっては、彼――ジェフリー・アイズナーはおそらく、死者の近縁者にとっては特に、百度罰しても罰したりないおそるべき殺人者だろうとは思います。ですがキリスト教のいう原罪と同じような形で、この場にいるすべての人に罪はあったと、わたしはそう考えたりもするんです……まず第一に、あなたたちはヴォーモン氏が亡くなっても、さほど大規模な形で野犬狩りに力を入れようとはしませんでした。何故かといえば、エドガー・ヴォーモンのような人間は生前の行いが悪かったのであのような死に方をしたのだ、だから我々善人には魔犬の祟りなどありはしないと心のどこかで思っていたのではありませんか?ところが三か月ほど後に<なんの罪もない>無垢な村の娘が死んだことにより――あなたたちは相当力を入れて、彼女を殺した野犬を探し求めるようになった。わたしが思うにあなた方村の人たちはおそらく、ヴォーモン氏が亡くなった時点ですぐに同じくらい力を入れるべきだったんです。それから……」
 Lが厳しく、まるで死者に成り代わるようにそう指摘すると、村の男たちからは殺意にも似たオーラのようなものが漂いはじめていた。
「よそ者のくせして、あんたみたいなおかしな東洋人に一体何がわかるってんだ!!」
 地面に腰を屈めて、石をひとつ取ろうとしているスティーヴ・オニールのことを、村長のジャック・マーフィが止めようとする。
「やめないか、スティーヴ!」そう村長に一喝されるなり、スティーヴは硬い石を手のひらでぎゅっと握りしめ、Lに向かって投げるのをやめていた。「いや、ワイミーさんの言うことにも、確かに一理ある……とりあえず議論をするのは彼の話を一通り聞いてからでも遅くはないだろう。第一、我々は――事と次第によっては、ポリーとルパートのことを殺した野犬と飼い主のことを<私刑>にしようと考えていたのだから……そうした意味合いにおいては我々もまた罪深い人殺しだったのかもしれん」
 マーフィ村長は白髪頭の、青い瞳にどこか忍耐強さの宿る、妙に威厳のある男だった。一目見ただけでこの男は絶対にアイルランド系だとわかるような、そうした特徴をすべて備えているように、Lの目にはジャック・マーフィのことが映っていた。
「ありがとうございます、村長さん」と、Lはジャックに対して、どこか儀礼的に目礼してから、話を続けることにした。「何故彼が――いえ、共犯者であるアデル・クライン嬢も含めて彼ら、というべきかもしれませんが――エドガー・ヴォーモン氏を殺害しようと思うに至ったのかには、とても長い経緯があるんです。もし彼と彼女の話をすべて聞いてもなお、あなたたちが自分たちの手で博士とアデル嬢のことを断罪したいというのなら、わたしは止めません……アイズナー博士、この人たちに出来ることならありのままを話してあげてください。あなた自身の悲しい過去も含めて……」
「僕自身の悲しい過去、ですか」と、ジェフリー・アイズナーはどこか遠い目をして――精神が肉体から遊離しつつあるような、妙にぼやけた顔の表情をして――小さな声でそう呟いた。
 だが、しんと静まり返った夜の森ではむしろ、そんな博士の自分自身に言い聞かせるような声でも十分、村の男たち全員の耳に届くくらい、しっかりと芯の通ったものとして不思議と聞こえていた。



 >>(18)中篇に続きます……。




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック