探偵L~人狼伝説殺人事件~(20)

 さて、じんろー☆も今回が最終回となります♪(^^)
 前の記事でも書いたとおり、ブログは引っ越す予定なので、こちらでの更新はこれから一切なくなりますww
 どこに引っ越そうかな……なんて思ってブログを比較するサイトさんなどを覗いてみたんですけど、結局同じウェブリにもうひとつブログを持つことになりそうだったり(笑)
 いえ、前までウェブリって、ひとり原則ひとつまでしかブログを持てないことになってて――まあ、ぐーぐる☆とかでメアドを取得すればいいだけの話なんですけど、自分的にちょっと「あれ??」って思うことがありまして……でも久しぶりにFAQとか見たら、複数のブログ取得可っていうことになってましたww
 いい機会(?)だから、他のブログにしてみるのもいいかな~なんて思ったんですけど(笑)、なんていうかここはコレがいいけど、ソレがイマイチ☆とか、足し算・引き算してみると、やっぱり使い慣れたウェブリが一番いいのかな、と(^^;)
 そんなわけで引っ越すんですけど、そちらは『赤毛のアン』とかモンゴメリについて語るブログになってるかもしれませんwwいえ、たぶん結局Lたんのこととかウルたん&織姫ちゃんのことも書いたり、色々ごっちゃ☆になるんじゃないかな~とは思うんですけどね(笑)やっぱりそうなるとサイトを持たなくちゃ駄目っぽい気がするので、どういうふうに区切ろうかと今考え中です
 とりあえず、じんろー☆は連載はじめた以上、変なところで放置したりとか絶対嫌だったので、とにもかくにも一旦終わらせることが出来て本当によかったです♪(^^)
 暫く色々やることとかあるので、まあ、新しいブログのほうはのんびり☆やっていこうと思ってたり……ウル×織もまだ書きたいSSがあるし、Lたんのお話も構想だけならネタ☆には困りません(^^;)
 なんにしても、人狼~は自分的に書くことが出来て本当に良かったお話でした。頭の中にあるだけの時は「まあ、いつか書けたらいいな~」くらいの感覚で、そのあとLたんから強制力がかかって書くことが出来たみたいな感じ、というか。
 Lの一連の話に関してはそういう偶然の積み重ねによってずっと書いてきたと思うんですよね。
 とりあえず自分的にイギリス編が一番書きたいお話だったので、それ以降は書けても書けなくてもどちらでもいいかなって思ったりもしたんですけど……何かこう「あ、終わりましたか。じゃあ次はこれ、お願いします」っていうLたんの働きかけには今も本当に感謝しています。あとはシンクロニシティ的な出来事と、「いやLたんわたし、今時間がないのよーう!!」っていう時にも、どういうわけか何かがどうにかなって書けたっていう、その繰り返しでした(笑)
 いえ、もう自分的には本当にそれってほとんど奇跡にも近いことだったので、よくそんなことが何度も起こったなあって不思議な気がするんですよね(^^;)そして今もまた、ひとつ長いお話を書き終わったので――また同じような奇跡みたいなことって二度と起きないような気がしてます。
 まあ、人によっては「たかが二次小説で大袈裟なww」って思われると思うんですけど(笑)、Lって今もわたしにとってはそのくらい特別な人です。自分的にはもう漫画とかアニメで、誰かをそんなに好きになることってないように思ってました。そんなこと(?)より現実が大切というか、何かそんな感じでww
 第一、Lがいなければネット自体はじめてなかったことからしても、彼には他にも色々感謝しなくちゃいけないことがたくさんあるように思うんですよね(^^;)
 あ、ちなみに↑に書いたようなことは、誰にでも起きることです。わたしの場合、Lに関わらずオリジナル小説に関してはいつも、「わたしの人生を書いてください」っていう霊(?)のようなものがやってきて書く場合がほとんどなんですけど、その感覚がなければ絶対的に一行も書きませんwwただ、二次小説を書こうって思った作品はデスノートのLがはじめてだったので、自分としては本当にとても新鮮な感じでした。Lのお話を書いてる間も、他の霊(と書くといかにもあやしいですが^^;)からの依頼って実際あったんですよね。たぶん本腰入れて書いたとすれば、それなりにまとまりのある、いい話になるだろうっていう物語が頭の中に出来上がっても――Lの話を書くのに夢中なあまり、そのままっていう状態が長く(いまだに)続いていたり……。
 なんにしても、ここまで読んでくださった方が(もし)いたら、本当にありがとうございました
 またウェブ上のどこかでお会いしましたら、「まだこの人えるえる☆いってるんだ~」っていう感じで、笑っていただけると嬉しいです♪
 それではいつかまた~!!(^^)/


 ↓今回Lが食べている、十枚重ねのホットケーキは、『農場の少年』からの引用です♪ちなみに、ハーバート・ラッセルっていう庭師のおじいさんのモデル(?)は、『赤毛のアン』のマシュウだったりwwそんなふうに少しずつ、自分の好きな作品を小説の中にイメージとして混ぜこむのが好きなんですよね(^^)

農場の少年―インガルス一家の物語〈5〉 (福音館文庫)
福音館書店
ローラ・インガルス ワイルダー

ユーザレビュー:
ローラが「見た」アル ...
よだれがでます小学校 ...
裕福な農場の日常 ロ ...
amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by ウェブリブログ





       探偵L~人狼伝説殺人事件~(20)

          終章

「やっぱり、なんといっても我が家が一番ね」
 それとも我が城かしら?と、ラケルが笑っていると、まるでゾンビのようにふらつきながらLがやって来て、彼女にとり憑こうとするように、耳元でこう囁いた。
「わたしのスイーツ、まだですか……」
 まったく同じ日に姿を消したのでは不審がられるだろうということで、ラケルはLのいなくなった四日後に、ウィンチェスターへ戻ってきたわけなのだが――Lはその間、実はドライフルーツやジャムなど、城の備蓄庫にある非常食でどうにか甘いものに対する飢えを凌いでいたのだった。
「べつにそんなになるまで、あたしが帰ってくるのを待っていなくても……ちょっとスーパーかどこかへ行って、ケーキでも買ってきたらよかったのに」
「ええ、最初はそう思ったんですが、去年あなたが作ったマーマレードジャムやブルーベリージャムなんかが棚にたくさん詰まっていたので――三日くらいなら、これをクラッカーにのせて食べていればなんとかなるかと思ったんです。それに、ひどいじゃないですか……帰ってくるのは四日後じゃなくて三日後だったはずですよ?わたしは明日こそはあなたの作ったスイーツが食べられるのだと思って、期待して待っていたのに……」
 それを裏切るだなんてあんまりです、そう言ってLは、拗ねたように親指しゃぶっていた。
 ラケルはとりあえず空港で買ったアイルランド土産のお菓子をLに渡して、彼の機嫌をとるためにバリーズの紅茶を淹れてあげることにする。本当はワタリへのお土産として買ってきたアールグレイティーだったけれど、この際仕方がない……というより、事情を話せば使いかけでも、ワタリさんはわかってくれるだろうとラケルは信じていた。
「これで、Lにもわかったでしょ?ある日突然単身赴任します、なんて言われていなくなられたら――残された妻がどんな思いをするかっていうこと」
「そうですね、反省します」
 べつに特段反省する気もないような声音でLはそう言い、ビリビリと乱雑に包装紙を破ると、その中のバタークッキーをめりめり言わせながら食べだしている。時々ぽろぽろとお菓子の食べかすをそこらへんにばらまきながら。
「でも、あなたが来てくれて本当に助かりました。じゃなかったらあのババア……もとい、ヴォーモン夫人にわたしは鳩のエサのようなつましい食事しかさせてもらえないままだったと思いますから」
 Lのいう<鳩のようなつましい食事>というのはようするに――それでも結構な容量の甘いものということを意味しているのだが、なんにしてもラケルは彼にとって自分が必要な存在であることを再確認することが出来て、十分満足していたのだった。
「あたし、ヴォーモン夫人に<世界一美味しい朝食>を作れるメイドだって、褒められちゃった」
「確かにそれはそのとおりですね」と、Lはラケルが淹れてくれた紅茶を飲みながら、ダイニングキッチンの椅子に座り直している。「わたしにとってもあなたは、<世界一美味しいスイーツ>を作れる達人ですから……ラケルは気づいていたかどうかわかりませんが、あのおばさん、あなたがこれから一生あの屋敷にいつくように――色々画策してたみたいですよ。ロスファイエ村の誰かと結婚でもしてくれたら、これからもずっと一緒にいられるだろうと考えて、相手として誰がもっとも相応しいか、相当真剣に考えてたようですが、気づきませんでしたか?」
「そうねえ……どういう男の人が好みかとか、そういうことは聞かれた覚えがあるけど」
 ラケルはボールに、小麦粉やベーキングパウダー、牛乳、卵、砂糖などを入れてかき混ぜつつ、そう答えた。
 とりあえず、Lの腹ごしらえの品としてはこれが一番手っとり早いと思い、フライパンの上でホットケーキを十枚ほど焼くことにしようと思ったのである。
「それで、あなたは一体なんて答えたんですか?」
 Lはラケルの作るこの重ねホットケーキが大の好物だったので、足をしきりにもぞもぞさせながら待ちきれないといったように、親指をしゃぶっている。
「んー……髪も黒くて目も黒くて、あんまり筋肉質じゃない感じの人がいいって言ったら、キアヌ・リーブスとかアシュトン・カッチャーとか、あんな感じのがいいのかいって笑われちゃった」
「キアヌ・リーブスにアシュトン・カッチャーですか。わたしとは似ても似つきませんね。まあ、べつにどうでも構いませんが」
「わたし、筋肉がムキムキの人って絶対駄目なの。どっちかっていうと、貧血気味の吸血鬼みたいな人がいいわ」
「貧血気味の吸血鬼……」
 自分のことを言われているとも気づかず、とにかくLはこの時、フライパンの上で次々と焼かれていくホットケーキの甘い香りに、口の中を唾でいっぱいにしながらその出来上がりを待っていた。
「はい、お待たせしました!!」
 Lは十枚重ねのホットケーキを見ると、ぺろりと舌で唇の端をなめつつ、まずは高い位置からメイプルシロップをとろーりとたっぷり、その上にかけることにする。そしてラケルが横からバターを一塊落とし、さらに生クリームを次から次へとホイップしていく。
「さて、と。これからちょっとスーパーにいって、色々買い物をしてくるわね。あと、庭師のハーバートさんにもお礼を言わなくちゃいけないし」
 Lはホットケーキに夢中になるあまり、ラケルの言っていることを半ば聞いていなかった。だが、庭師のハーバート・ラッセルが畑で栽培したかぼちゃをきのう持ってきてくれたことを思いだし――それでパンプキンパイを作ってほしいと、ラケルに催促することにしたのだった。
「あら、本当?今年はほとんど庭にも畑にも自分で手をかけなかったから、なんだか自分が収穫泥棒みたいな感じがしちゃうわね」
「まあ、また来年とかさ来年がありますよ」
 Lは十枚重ねのホットケーキをぺろりとたいらげると、げっぷをしながら、ラケルがいつものとおりエコバッグを持って出かける後ろ姿を見送っていた。
 そしてふとそういえば、とLはあることを思いだす。
 蘭の株分けの方法をヴォーモン夫人に教えてもらったことがあったので、それを実践してラケルのことを喜ばせてあげようと彼はこの時突然閃いたのである。
「ランは女性の生殖器に似てるなんて言う人もいるそうですが――わたしはそんなことはどうでもいいんです……」
 シンビジウムやデンドロビウム、カトレアや君子蘭などが並ぶガラス張りの温室で、Lは株が鉢一杯に成長している蘭を選びだすと、新しい鉢に植え替え、それを城のキッチンの目に見える場所に置いておくことにした。オレンジウム、パフィオぺディラム、ブラッシア、バルボフィラム、リカステ、アングロカステ……などなど、Lはラケルにもわかるように名前を書いたフラグを鉢の土に立てておくことにする。
 いってみればこれはLにとっては、ラケルが自分のことを餓死の危機から救ってくれたことに対する、お礼の品のようなものであったといってよい。
 そしてLはヴォーモン夫人がデンドロビウムは水苔に埋めて増やすといいと言っていたのを思いだし――早速それを実践するのに、盆栽好きなハーバート・ラッセルから水苔をもらおうと思い、広い庭の中、麦藁帽子を被った温和なおじいさんの姿を探してまわったのだった。

「やっぱり、バターやクリームや卵なんかは、農家の出来立て直輸入に比べると、風味が少し落ちるような気がするのよねえ」
 その日の晩餐のスイーツは、イチゴシュークリームにパンプキンパイ、紅茶のゼリー、マロングラッセ、抹茶のドーナツなどだったのだが――ラケルはベッドの上で新しくメニューとして加わった、アイルランド料理のレシピノートを広げつつ、しきりに何かのメモをとっていた。
 それでLは、隣の彼女の動く指先に注目したのだが、よく見てみるとラケルはメモをとっているのではなく、鶏や豚やガチョウなどの動物を、どこか子供向けの絵本のように描いていたのだった。
「ようするに、フレッシュさが足りないということですか?」
「うーん……それもあるけど」
 ラケルは自分の下手っぴな絵を、Lがどこか面白そうな顔をして覗きこんでいるのを見て、パタリとレシピ帳を閉じてしまう。
「Lは、今日のごはんを食べてて思わなかった?ヴォーモン夫人の屋敷で食べていた時のほうが、もう少し美味しかったような気がするって」
「そうですねえ。わたしはいつもどおり『美味しい』としか思いませんでしたので……言われてみれば、そんな気もするといったところでしょうか」
「そう?だったらいいんだけど」
 その言葉の裏に(Lさえ良かったら、わたしはそれでいいんだけど)という響きを感じとって、Lは笑いたくなってしまう。
(まったく、あなたっていう人は……)
 思い出してみれば、突然自分がいなくなったその後をラケルは追いかけてきてくれたわけであり、『何故そんなことを』とLが聞いた時――彼女は少しそっぽを向いて、こう答えていたのだった。
『だって、あたしとふたりだけの生活にすっかり飽き飽きしちゃって、新しい刺激を求めるためにLは出ていっちゃったのかもしれないって、そう思ったんだもの』
(そんなこと、あるわけないじゃないですか)
 Lは思わず、声にはださないまでも笑いを堪えきれなくなって、口許を不気味ににやけさせていた。
 そしてふと、連鎖的にロスファイエ村であった様々な出来ごとが、Lの脳裏を走馬灯のようによぎっていく。
「そういえば、ロックウェル家で牛の乳搾りをした時のこと、覚えてますか?」
「ええ、覚えてるわ」
 ラケルはにっこりと、どこか幸せそうに笑って言った。
「牛のメイシーちゃんだったかしら?人の耳をなめるっていうか、しゃぶるのが大好きで――あたしにそうしてる時、自分で牛になんて言ったか、Lは覚えてる?」
「ええ、覚えてますよ……」と、Lはベッドの背もたれに寄りかかると、膝を抱えた姿勢のままで呟くように言った。
「『この人を食べてもいいのはわたしだけですから、あなたにはかわりにこれをあげます』って言って、人参をあげたんです」
「乳搾りをしたり、子豚の世話をしたり、産みたての鶏の卵を集めたり……とても楽しかったけど、でもやっぱりうちでそこまでするのは無理よねえ。何より、Lがまた<単身赴任>とか言ってどこかへ行っちゃったら、ハーバートさんにそこまでのことは頼めないもの」
「まあ、たぶんこれからはそういうことはないと思いますよ……」
 Lは子供のように親指をしゃぶるをやめると、牛のメイシーがそうしたように、ラケルの耳をなめはじめた。
 自然と、細い指の先がランプシェードの下のスイッチに伸ばされ、あたりは夜の優しい静けさだけに包まれるようになる。
「わたしも、ある部分今回のことで懲りましたから……いえ、事件を無事解決できたことについては、今もまったく後悔はしていません。それでも、スイーツに飢えきっていた最初の二週間ばかりの間――ある人のことがとても恋しかったですから」
「Lの嘘つき。本当は事件のことで頭がいっぱいで、あたしのことなんてどうでもよかったんじゃない?だからLが恋しかったのは、あたしの作るスイーツであって――あたし自身じゃないんだわ。でも、今はそういうことにしておいてあげる」
「どっちだって、結局は同じことじゃないですか……」
 Lはここ数か月、自分が不自由していたもうひとつのもの――彼にとっては甘い砂糖菓子と同じ価値を持つもの――に飛びつくと、人間は本当に動物とさして変わりがないなと、ラケルのことを自分の欲望のとおりにしながら思っていた。
 オオカミたちは一夫一婦で、雄と雌の間には強い絆があると言われているが、彼らは交尾の時、人間の目から見ればいわゆる<愛の儀式>と呼ばれるものを行っている。
 互いにじゃれつきあったり噛みつきあったり、首と首を交差するように重ねたり、グルーミングしあったり……そして最後に雄が雌の体の上へ乗っかるのである。
 この雄と雌の交尾は、時に三十分以上時間をかけてなされることもあり、この親密性がオスとメスの絆を保つ上で非常に重要な役割を果たしていると考えられているらしい。
 部屋の明かりを消したことで、月の光が微かに蒼く白く物の影を切りとる中で――自分がラケルの首筋をなめたり、太ももに手を伸ばしたりといった行為は結局、動物のそれとさして変わりがないようにLは思えて仕方ない。いや、むしろ彼らの自然な欲求のほうが、より神聖なものではないかという気さえしてしまう。
 Lは、自分が初めてラケルとこうした時――彼女が息を詰めたように苦しそうにした一瞬のことを、今でもはっきり思いだすことが出来た。その時Lは、もしかしたらラケルがそのまま死んでしまうのではないかと思いつつも、<それ>を途中でやめるということが出来なかったのだ。
 もちろん、彼女はその時死ななかったし、その後同じことを繰り返した時には、似たような現象にLは襲われることはなかった。それでも、その時に痺れるくらいに熱かった中に感じた寒けのようなもの、一体それがなんだったのか、Lには今も論理的に説明がつかなかった。
 ただ、もし快楽の絶頂でしか感じとれないであろう、あの<寒け>にも似たぞくりとした感触を――自分が定期的に感じたいと欲したり、その頂点の一瞬にしか生きている意味を感じられないとしたら……すなわち、それが一般にいう異常殺人者の奥深い心理といったものなのではないかと思ったりもした。
「ねえ、L。あたし、今回の事件で本当にあなたの役に立った?」
 交尾のあとで寄り添う番いの動物のように、ラケルはLの肩にもたれかかりながら、そう聞いている。
「ええ、もちろんですよ。それ以外にもラケルは本当に色々、わたしの役に立ってくれています……たとえば、わたしにとって長年解けなかった殺人者の異常な心理についてとか」
「殺人者の異常な心理?」と、どこか訝しそうにラケルは聞き返した。
「まあ、ゴキブリも殺せないあなたにこんな話をするのはよしましょう……なんにしても、ラケルがいなくなったらわたしは、スイーツに飢えて餓死することがこれではっきりしました。<あなたがいなければ生きていけない>っていうのは、本当に素敵な言葉ですね。これまでは陳腐な馬鹿馬鹿しい三文芝居の科白のようにしか、思ったことはありませんでしたが」
 Lの、まるで感情のこもらない棒読み口調に、ラケルは思わずくすりと笑いを洩らさずにはいられなかった。自分は本当に、何故こんなおかしな男のことが好きなのだろう?
「生きているって、本当に素晴らしいことです」
 聞くからに嘘くさい科白を、Lがいかにももっともらしく言うのを聞いて、ラケルは茶化すように彼の頬にキスせずにはいられなかった。そしてたった今彼が言ったのと同じ言葉を反芻する。
「そうね。生きているって、本当に素晴らしいことね」
 スイーツの食べすぎで、甘い砂糖菓子の匂いが染みこんだようなLの体臭を、ラケルは愛しく思いながらそのまま眠りに落ちていった――神聖な月の光が照らす中、Lの誕生日が近いことをラケルは思いだし、その日にはどんなサプライズ・スイーツを作ろうかと、今から考えるのが楽しみで仕方なかったのだった。



 終わり




ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

かわいい

この記事へのコメント

2009年10月29日 06:40
新しいのを書いて下さい
エステル
2009年10月30日 22:19
村上さん、明日はLたんのお誕生日です。Lたんへのバースデイコメント、もしくはSweet・・・シリーズで”Lたん・ハピバ・ストリー”でも書いていただけたら嬉しいです。昨年もこちらのブログ確かこの時期・止まっていましたので・・・。
エステル
2009年10月30日 22:22
”ストリー”ではなく、”ストーリー”でした。すみません。(^_^;)

この記事へのトラックバック