両手いっぱいのマーガレット(後篇)

 最後ほうに名前のでてくる花は、『赤毛のアン』にでてくることで有名なものばかりですww
 ちょっと画像見つからなかったので、興味のある方はネットで調べてみてくださいね(^^;)
『赤毛のアン』が何故こんなにも日本の女性たちの心を捉え、多くの人に読み継がれているのか――その理由のひとつに、プリンスエドワードという異国に対する憧れが上げられるのではないか、といった文章を以前読んだことがあります。
 もちろん、それだけ作者モンゴメリの自然描写が巧みだということもあるんですけど、メイフラワーとかスイカズラとかケマンソウとかオダマキとか……そうした花がどんなに素敵かっていう自然世界の美しい描写を読んでると、すごく想像力をかきたてられるんですよね♪(^^)
 いえ、わたし最初に読んだ時、メイフラワーもスイカズラもケマンソウもオダマキも、どんな花かさっぱり知りませんでしたww
 う゛~ん、ハニーサックルの和名がスイカズラ(吸い葛☆)なので、響き的になんかこう……アン流に言ったとすれば、「そんなのちっともロマンチックじゃないわ!」っていう感じなんですよね(^^;)ケマンソウもそうだし、オダマキもなんか……この中で唯一わたしがわかったのは、メイフラワーだったんですけど、それも実は村岡先生訳のものではサンザシと訳されていたからわかったんです。でものちに、サンザシとはまったく別の花であることがわかって、そこから色々本当はどんな花なのかっていうことを調べるようになったんですよね。
 そしてケマンソウの英名がbreeding heart(血を流す心臓)だと知ったのは、その時のことでした。ブリーディングハート……花の写真を見てみると、確かに本当にハート型をしてて、「わああ~♪」なんて思ったり(笑)
 スイカズラは存外、原産地が日本や中国で、アジアから欧米に輸出された花だと知った時にはちょっとびっくり☆しましたwwいえ、『赤毛のアン』とかモンゴメリのお話にでてくる花は全部、アメリカやカナダやヨーロッパが原産地なんだと疑いもしてなかったので……そしてこのスイカズラ、とっても甘い香りがするのはいいとして、繁殖力があんまり強いのでアメリカでは外来種の雑種問題になったりしてるのだそうです(そういう記事を、随分前に新聞で読みました
 そしてオダマキ……モンゴメリの短篇のお話の中に、「オダマキを好きじゃない人なんているかしら?」みたいな科白があって――それでこの花のことが気になりはじめて、図鑑で調べてみると、存外身近で見かけたことのある山野草であることがわかったんですよね(^^;)

 ↓一応画像として、わたしが見たことのあるのに近いものを選んでみました(^^;)でも一口にオダマキって言っても、本当に色々な種類があって、モンゴメリのいうオダマキ(columbine)とは、どうも品種が違うみたいなんです。これはアン関連の本に『赤毛のアンにでてくる花』っていう紹介の写真を見ててそう思ったんですけど

4月中頃~後半に咲いてくれます。二色咲き風鈴オダマキ 【山野草】
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置き場夏は暑さで弱ることがあります。特に直射日光の一日中当たるベランダなどは適しません。夏は風通しの


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 ええとまあ、そんな感じ(どんな感じ??)で、ウルたんと織姫の最後のほうの会話を書いたっていうような次第なんですww(^^;)
 でも織姫ちゃんの視点で語ってるので、えっちなシーンはR-15☆程度(?)の、そんなに大したことのない描写になってしまった気がしますいえ、もともとそんな大したエロいのを書けるわけでもないんですけど(笑)、これが三人称かウルたん視点だったらもっと――「蜜蜂が花の密を求めるように、ウルキオラは織姫の花芯を刺激し、そこから滴り落ちてくるものを舌でなめた」とか、「俺は女の柔らかな肌の匂いをかぎながら、花びらの中を指で探った」だのって書けたかもしれないんですけどね(笑)、そのへんはエロ度が低いまま終わってしまったような気がします(^^;)
 ええ、またそのうち時間が出来たら、そういうのも書いてみたいんですけど……でももし次に書くとしたら、少しウルキオラが自分の過去について振り返るような話を書いてみたいなと思ったりwwいえ、わたしが思うにたぶん、354の「この掌にあるものが心か」っていうその次から、ウルたんの回想シーンが入るべきだったんじゃないかなって勝手に思ってるので……もしそこから一巻分くらいかけて、ウルたんが自分の人生について振り返ってても、読者さんで文句言う人ってあんまりいないんじゃないかと思うんですよ(^^;)じゃなくても結構、「このバトルさくっと終わらせて、さっさと話先に進めてくれないかな☆」っていう展開は、これまで何回もあったわけですから……にも関わらず、肝心なウルたんのところだけ何故さっくり☆カットされてるのか、本当にわけがわかりませんww
 なので、そこから繋げてっていうのは無理にしても(っていうかシチュ☆的に悲しすぎて書く気になれないww)、ウルたんの過去にあった出来事を、何かのきっかけに彼が織姫に話すところを書けたらいいなあ、なんて思ったり。。。
 とりあえず、人狼~の連載が終わったら、少しお休みしようかと思ってるので、色々忙しくていつ書けるかわからないにしても、これからも時々ウル×織のお話は書いていきたいな~って思ってます♪
 それではまた~!!(^^)/



       両手いっぱいのマーガレット(後篇)

 その日の夕刻、食事が終わっても、ウルキオラさんはあたしの部屋に来てくれなかった。
 夕食のメニューは、ボンゴレスパゲッティとシーフードピザ、それにデザートが黒蜜抹茶プリンだった。そして添えられていた花がブルーサルヴィア……花言葉は『尊重』。だから、とりあえず「おまえの気持ちは尊重しよう」――そうウルキオラさんが思ってくれていたらいいな、なんて、あたしは勝手に解釈してしまっていた。
 でも夜の眠る時間になっても、彼が明日の朝のメニューを知らせにきてくれなかったので、もしかしたらウルキオラさんがおかしな人間の娘と距離を置きたがっているのかもしれないと、あたしはこの時初めてそう思いはじめていた。
(やっぱり、迷惑だったのかな……)
 ぼんやりとした頭のまま、あたしはふうっと溜息を着き、それから気分転換のためにお風呂に入ろうと思った。
 そして猫脚つきのバスタブにお湯を張り、バスルームの棚から入浴剤を選ぶことにする。
 ラベンダー、ローズマリー、カモミール、オレンジ・リンデンバウム……ど・れ・に・し・よ・う・か・な・で、結局カモミールに決まる。ちなみにカモミールの花言葉は『あなたを癒す』とか『逆境に耐える』といったもの。
 それであたしが、今自分に与えられている逆境に耐えようと思ってそれをお風呂に入れようとした時のことだった――ガチャリ、と鍵の開く音がして、誰かが部屋に入ってきたことがわかった。
「女、どこにいる?」
「ウ、ウルキオラさ……」
 あたしが返事をしようと思ったその瞬間――悲劇的なことが起こった。
 なんと、あたしは床のタイルの上でつるりと滑って、バシャーン!!とバスタブの中に墜落してしまったのだ。
「なんだ?風呂に入っているのか?」
 まだバスタオルを体に巻きつけたままの状態だったから、ドアは開けてあった。そこへ彼が、いつもどおりの無表情な顔を見せる。
「そんな格好で風呂に入っているとは、おまえもよくよく酔狂な女だな」
「ち、違いますっ!!これは今、入浴剤をバスタブに入れようとして――それで足がすべったのっ!!ウルキオラ
さんが変な時にやってくるから……!!」
「なんだ?俺のせいだとおまえは言いたいのか?」
 そう言って、ウルキオラさんは面白いものでも見つけたみたいに、バスルームの棚に今度は目をやっている。
「これがおまえの言う入浴剤とやらか。どれを入れるつもりでいたんだ?」
 ウルキオラさんは、ハッカの入浴剤の匂いをかぐと、蓋を閉めて首を傾げていた。まるで、こんなものをいちいち風呂に入れるとは、人間の女もまったく物好きな、と顔に書いてあるみたいだった。
「えっと、カモミールにしようと思ってたけど、でも……ウルキオラさんがもし………」
「俺が、一体なんだというんだ?」
(やっぱり、全然気づかなかったのかな……)
 あたしは、ラベンダーの花を一輪あげたくらいで、ウルキオラさんが敏感に自分の気持ちに気づいてくれると思いこんでいた自分が、この時すっかり恥かしくなっていた。
「う、ううん。なんでもない。ラベンダーの入浴剤にしようと思ってたの」
 どうせ、この鈍い破面さんは気づいてないんだから、そう思ってあたしは、ウルキオラさんにラベンダーの入浴剤をとってもらおうと思った。でも彼は、棚の中からラベンダーの小瓶をとりだすと、何故か溜息のようなものを着いている。
「おまえは、本当に毎日、俺のことを待っているのか?」
「え、えっと……」
 ラベンダーの花がラベルに貼られた小瓶をあたしが受けとろうとすると――彼は不意にそれをバスタブの縁に置いていた。そして、いつものようにあたしを高圧的に見下ろすようにして、じっとこちらへ視線を注いでくる。
「答えろ、女」
「は、はい……あたし、毎日ウルキオラさんのことを待っています」
「何故だ?他に顔を合わせる相手が、ワイゼンベルクの他には俺しかいないからか?」
「……………」
(違う、と思う)――そう言いかけて、あたしはやっぱり何も言えなかった。
 まるであたしに何か、悪い魂胆でもあるのではないかと、疑っているような眼差し……そんな目で見られることに、あたしは耐えられなかった。
「まあ、いい」
 暫くの間、探るような眼差しであたしのことを凝視したあと――ウルキオラさんはバスルームから出ていった。そしてあたしが彼のことを追いかけようとして、バスタブから上がりかけた時、目の前には白い花束が投げこまれていたのだった。
「ウルキ、オラさ……これ………」
「割合、どこにでも生えている花かと思ったが、存外、探すのに手間どった。明日の朝のメニューはフレンチトーストとスパニッシュオムレツ、それにチーズやバナナ、ヨーグルトなどだ。変更してほしい点はあるか?」
「う、ううん。それよりもこれ……」
 ウルキオラさんがバスタブの中に放りこんだのは、数えきれないほどの――たぶん、ざっと見ただけでも百本以上はある、マーガレットの花束だった。両手に抱えきれないほどの、白い花の束。
「ま、待ってください、ウルキオラさん」
 くるりと踵を返し、バスルームのドアを閉めかけている彼に、あたしはそう声をかけた。
「やっぱり、入浴剤はローズマリーにします。ローズマリーのフランスの花言葉は、『あなたが来てくれたので、わたしの悩みは消え去った』っていうの。だから……」
「なんだ?三食昼寝付きの囚人にも、高尚な悩みなどというものがあるのか?」
 ウルキオラさんはどこか侮蔑的に言うと、棚の中からローズマリーの入浴剤を手にとって、それを上からバスタブの中に注いでくれた。パッと甘い香りが広がって、お湯が淡いピンク色へと変化する。
 すると、ウルキオラさんは入浴剤というものに興味を持ったのかどうか、小瓶に貼られた後ろのラベルを読みはじめていた。
「筋肉痛、肩こり、頭痛、便秘などによく効く、だと?女、これは一体どういうことだ?貴様、どこか体の具合でも悪いのか?」
「やだもう、ウルキオラさんっ!!入浴剤の売り言葉をいちいち真に受けないでくださいっ。ほら、そんなこと言ったら、こっちのラベンダーの入浴剤には、こんなことが書いてありますよ」
 そう言ってあたしは、ラベンダーの小瓶に貼られた、<使用上の注意>という文面の下のあたりを指でさし示すことにする。
 そこにはこう書いてあった――すべてに無関心になった時、あなたの心を癒してくれるハーブの効果……。
 すると、ウルキオラさんは「くだらん」と一言いって、今度こそ本当にバスルームから出ていってしまった。
 そしてあたしは、彼の背中に向かって「ありがとう」と照れたように声をかけ、百本以上ものマーガレットの花が浮かぶお風呂で、そのあととても優雅な気分を満喫していたのだった。


 体と髪を洗ってすっきりすると、あたしはその時になって初めて、あることに気がついていた。つまり、それはバスタオルがびしょ濡れになっていて、体を拭けるものが何もないということで――しかも、着替えの服は向こうの部屋のソファに置きっぱなしだった。
(えっとでも、朝食のメニューのことはもう聞いたから、ウルキオラさんは出ていっていないかも……)
 ウルキオラさんはいつも、用のない時には長居するということはほとんどしなかった。
 だからこそあたしは、ラベンダーの花を彼に渡して、もっと長くいて話相手になって欲しいっていう自分の気持ちを伝えようと思ったのだけれど――すぐ隣の部屋からはなんの物音もしてこないし、あたしは誰もいないに違いないとこの時すっかり決めこんでしまっていた。
 それでも一応、用心する気持ちから、こっそりバスルームをあけ、あたりの様子を窺ってみることにする……でも、人の気配も何もないことにあたしがほっとして、そのままスタスタと数歩あるいた時のことだった。
 壁際に並ぶ鉢植えの花を覗きこんでいるウルキオラさんが、実際にはそこにいた。
「……………っ!!」
 びっくりするあまり、硬直して動けないっていうのは、たぶんこういうことを言うんだと思う。というか、フォローの仕様も何もない。その上、バスルームに急いで戻ったところで、何か体を隠せるようなものもないから――あたしはパニックになりつつ、それでも奇妙な格好で後ろに数歩下がることくらいしか出来なかった。
「女、この胡蝶蘭にはあまり水をやりすぎるな。そのうち根腐れを起こして、株がすっかり弱ってしまうぞ」
「は、はい……」
 ウルキオラさんからは見えない場所――バスルームのドアの前あたりまで下がってから、あたしは真っ赤な顔のまま、そう返事をした。そしてとりあえずまた、そちらのほうへと逃げこむことにする。
「それから、このカトレアは肥料のやりすぎだ。濃い肥料は根腐れの元になるらしいからな、もうちょっと少なめにしておくくらいでちょうどいいだろう」
「あ、あの~・・・・・・」
 あたしの裸なんて、たぶん破面のウルキオラさんにはそう価値のないものだったのかもしれない。あたしはそう思って、バスルームから顔をだし、彼にバスタオルを持ってきてもらおうと思った。
「ソファの下に収納ボックスがあって、そこにバスタオルが入ってるんです。それを持ってきてもらえたらありがたいっていうか……」
 何故か、暫くの間返事はなかった。
 でも首をひょっこりだしてみると、ウルキオラさんがごそごそと何か探しているような気配がしたので――またバスルームの中に、あたしは体を引っこめることにする。
「あ、ありがとうございます……」
 無言でさしだされたバスタオルを、あたしはおずおずと手を伸ばして受けとった。
 そして、その瞬間にまたも……。
「きゃっ!!」
 タイルの上で足を滑らせてしまい、敷居のところでつんのめってしまったのだった!!
「い、いたた……」
「女、わざとでないと言うのなら、早く体をどけろ」
 気がついてみると、あたしは裸のままウルキオラさんのことを押し倒すような格好になってしまっていて――本当に、死ぬかと思うくらい恥かしかった。
「わ、わざとなんかじゃ……!!」
 あたしは床からバスタオルを拾い上げると、一生懸命体を隠しながらそう言った。
 するとウルキオラさんは、あたしのほうに手を伸ばして――頬に触れ、そして髪の毛の上に指をかけていた。
「井上織姫、これはおまえの花だ」
 髪についていたマーガレットの花を一輪手にとると、ウルキオラさんはあたしの耳にそれをかけてくれた。それからそうしたあとで起き上がり、彼はあたしに背を向けると、また無表情に部屋をでていこうとしている。
「お、お願いっ!!いかないで……!!」
 本当は傷つくことに臆病なあたしのどこに、その時それほどの勇気があったのか――あとになってみても、自分には解明がまったく不能だった。
 あたしはウルキオラさんの背中にすがりつくようにして抱きついていたから、正直さっきのこともわざとだと思われても仕方ないと思った。それでも頭で考えるより先に体が勝手に動いてしまうくらい――あたしは彼にそばにいて欲しかったのだと思う。
「一体どういうつもりだ、女?」
 ウルキオラさんがまた、あたしの耳元のマーガレットに手をやろうとしたので――あたしは彼のその手をつかまえると、頬に押しつけるようにして、自分の涙をぬぐっていた。
「あたし……あたしは、ウルキオラさんのことが………」
(好きなの)
 そう、あたしが言葉にする必要はなかった。
 まるで、言葉にしたら嘘になってしまうことを怖れるように、ウルキオラさんはあたしの唇をふさいで、愛の言葉を封じこめていたから。
「女、おまえはあの日……アイリスの花言葉は一体なんだと言った?」
「えっと、『わたしはあなたを愛します』って……」
「では、胡蝶蘭の花言葉はなんだ?」
「『あなたを愛しています』」
 まるで訊問するようにそう聞きながら、ウルキオラさんはあたしの首筋にキスしていた。ぱさり、とバスタオルが床の上に落ちて、自分の何もかもが彼の視線の前にあらわになるのを感じる。
「言え、女。おまえは俺に対して、本当にそんなふうに思うのか?」
「はい……今のあたしの気持ちは、ブリーディングハートっていう花みたいなの」
「その花は、この部屋にはないな。花言葉は一体なんだ?」
 ウルキオラさんはベッドの上にあたしのことを押し倒すと、胸を強く揉み上げて、まるで脅迫でもするみたいに、そう聞いていた。
「あ、あの……ハートの形をした可愛いお花で、花言葉は『あなたに従います』とか『恋心』っていうの」
「そうか。俺の今の気持ちは」と言って、ウルキオラさんはあたしの太ももの間に手を伸ばしていた。思わず、体がビクリと震えてしまう。
「トレイリング・アービュタスとだけ、言っておこう」
「ト、トレ……あんっ!!な、なあに?もっとわかりやすく言って……!!」
 ウルキオラさんの舌や指が、あたしの体の一番敏感な部分を這いまわっていた。
 まるで傷つきやすい花をいたわるみたいに、とても優しく。
「メイフラワーといえば、おまえにもわかるのか?」
「えっと、メイフラワーの花言葉は、『希望』だったかな……っ」
 まるで、間違った言葉を言ったことに対する罰でもあたえるみたいに、ウルキオラさんは指を、あたしの奥にまで入れた――泣きたくなるくらい、とても痛い。
「『おまえだけを愛す』だ。二度とこんなことを、俺の口から言わせるな」
「は、はい……」
 あんまり痛くてあたしが泣いてしまうと、ウルキオラさんは今度は慰めを与えるみたいに、その部分を舌で舐めはじめていた。本当はそんなこと、されたくなかったけれど――でも、自分から誘った以上は逆らえなかった。
「ウルキ、オラさ……ハニーサックルっていう花の花言葉、知ってますか?」
 あんまり恥かしかったので、あたしは頭の中がほとんどぼうっとしながらも、そんなことを彼に聞いていた。
「いや、知らんな。それより……」
「あ……はぁんっ。駄目、もうだめっ。ウルキオラさんっ!!」
 生まれて初めての、異質なものを受け容れる感触――それはあたしにとって、とても苦しくて痛い体験だった。失神しなかったのが不思議なくらいだったけど、でもその前に彼が舐めてくれていた時には、とても気持ちよかったのも本当のことだった。
「女、痛い思いをさせてすまなかった」
「い、いや……っ。どうしてあやまるの?本当は、こうなるべきじゃなかったってそう思うから?」
 あたしが縋りつくみたいに、ぎゅっとウルキオラさんに抱きつくと、彼はそんなあたしの髪の毛をそっと、優しく撫でてくれた。
「馬鹿が。いつ誰がそんなことを言った?おまえは俺のゼラニウムかポピーのような存在なのに」
「えっと、『慰め』っていうこと?」
「そうだ。それで、ハニーサックルとやらの花言葉は一体なんだ?」
 あたしは嬉しくなって、ますますウルキオラさんの肌に、自分の胸をぴったりとくっつけていた。
「『愛の絆』っていうんです。他にも朝顔やストックっていう花にも、同じ意味の花言葉があって――特にストックには、『永遠の愛』っていう意味もあるんですよ」
「そうか。じゃあ、俺の今の気持ちはアイビーだとでも言っておこうか」
「えっと、アイビーは確か……あ、おんなじ!『永遠の愛』!!」
「馬鹿が。『死んでも離れない』だ」
 そう言ってウルキオラさんは、あたしの額に口接けると――枕元にこぼれていたマーガレットの花を、あたしの耳元にまたかけていた。
「ねえ、ウルキオラさん……あたし今、なんだとってもアザレアです!!」
「花言葉のほうは一体なんていうんだ?」
「『あなたに愛されて幸せ』っていうんです」
 あたしがそう言うと、ウルキオラさんはまたぎゅっとあたしのことを抱きしめてくれて――そうしたあとで、あたしの耳元に小さな声で「おまえはやっぱり俺のマーガレットだ」と、優しくそう囁いてくれたのだった。



 終わり
 



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